ランサーズとは
無料で気軽に登録できる、大手クラウドソーシングのサービスです。リモートワークの需要が高まっている昨今、会社員の副業として・フリーランスの新規営業開拓としても注目が集まっています。この記事では受注側(ランサー)として、主にデザイン案件を受注するコツを書いていきます。
ランサーズの特徴
1.登録が簡単
メールアドレスを登録して、各種プロフィールを入力するだけです。
本人確認・電話確認はそのままプロフィール欄での信用度に繋がりますから大した手間ではないのでこの辺りはちゃんとクリアしておいてください。
他のブログからの引用になりますが、ランサーズの基本概要や登録方法はこの記事がとても参考になりました。
2.支払いが確実
依頼方式(※後述)に関わらず事前に金額が明示されていますので気の弱いフリーランスにとっても安心です。例えば「コンペ方式」の場合クライアントから「納品依頼」申請があった時点で支払いが確定、「プロジェクト方式」の場合は「仮払い」が行われた時点から作業を開始する決まりになっていますので「納品データを渡したのにお金が支払われない・値引きを要求された」などということがありません。
3.提案はそのままポートフォリオとしても
「コンペ形式」では提案したデザインがプロフィールページに「過去の提案」として保存※されます(※依頼条件によって表示されない場合もあり。後述)。たとえコンペで落選しても「実績(ポートフォリオ)」として履歴を残しておくことができるのです。
自分(自社)のデザインの得意なテイストやスキルをそのまま見込み客に伝えることができますので、納品した実績しか掲載しないのが慣例の通常のポートフォリオとは違う側面があると言えましょう。
これは大変ありがたい機能で、あるクライアントには全く評価されなかった(落選)デザインでも別のクライアントから見たら魅力的なデザインだと判断して貰えるかもしれません。また下請け案件の多いデザイン会社ならわかると思いますが、いざ自社のホームページに制作実績を掲載しようとしても元請けからの許可が下りず、仕方なく直受け案件を数点しか掲載できない場合は多々ありますので。
4.デザインの勉強になる
会社に所属している人ならいざ知らず、フリーランスは意外と他人のデザイン(実際の仕事現場)に触れる機会がありません。いえ出来上がったものならPiterestやBehanceその他色々なデザインを扱うSNSやWEBそして書籍には溢れていますが、現実のコンペ案件に様々な人達と参加して一斉に仕上がりが見られるランサーズはやはり貴重な場所だと思っています。
出揃った他者のデザインを見て「何ー?!そんなやり方があったか!」とか「へ?そんな複雑(適当)なのあり?」など色々勉強になる瞬間です。同じ依頼原稿を読み、同じ条件で頭を使ってデザインした直後だからこそ他者の手法や技術から学ぶことが多いです。自分が関与していない提案の山をぼんやりと見ていてもあまり感銘を受けることはありませんので。
ランサーズでの仕事の探し方
仕事案件を検索する
さて前置きが長くなりましたが、まずはマイページから仕事を探していきましょう。
プルダウンメニューから
お気に入りに登録!
詳しく条件を見てデザイン内容・納期・金額など納得できるものがあったら「お気に入りに追加」します。
さあ魅力的な案件が色々と出てきたところで、ランサーズ固有の「依頼方式」について書いておきます。
依頼方式について
依頼方式いくつか
ランサーズの依頼方式には
・コンペ方式(実際の条件でデザインを作って見せる)
・プロジェクト方式(プロフィールや過去の実績を含めた企画提案で受注を勝ち取る、もしくは直接依頼)
・タスク方式(単純な作業など)
があります。
コンペ方式が多い
パッケージデザインの場合、圧倒的に「コンペ方式」が多いです。「プロジェクト方式」は金額の大きな案件やストーリーのある漫画など手をつけてからでは後戻りできないものの場合が多いようです。またデザイン以外では例えばマーケティングやライティング(執筆媒体)でも「プロジェクト」案件が多いようです(=過去の実績などから判断される)。ただ、これからランサーズを始める方は(ランサーズ的には)特に実績も何もないので初めはやはりコンペ案件から取り掛かることになると思います。
どの案件に提案するか?!
コンペは腕に自信のある方なら(時間があれば)全て提案したいところですが、負けたら0円のギャンブル的側面(※)がありますので案件選びは非常に重要になってきます(※案件によっては次点提案に「参稼報酬」が貰えるものもあり)。
コンペ案件を選定する基準
私がランサーズにコンペ提案する時に基準にしているのが主に
1.自分が得意な(やりやすい)デザインかどうか
2.金額が労力に見合うかどうか(当たり前)
3.コンペ参加者の顔ぶれ
4.制作実績として残す価値があるかどうか
の4点です。順番に見ていきましょう。
1.自分が得意なデザインかどうか
コンペは落選すれば全くの無償で骨折り損になってしまうので、当たり前ですが得意なジャンルから攻めていきます。食品パッケージのデザインが得意な人なら食品、工業製品が得意ならそれで…これまで作った没デザインからの改変でも良いですし(ここだけの話)一から作るにしてもそれほど時間をかけずに(作業時間を限定して)チャレンジできます。
2.金額が労力に見合うかどうか
額面だけでなく、細かな条件にも目を通しておきます。「製品1につきデザイン1種類」での金額だったつもりが「コンペ合格後にはバリエーション品30種を含めて2日以内に完納することと」とかよく読んでないとどっちがお客さんかわからない状態になってます。
3.コンペ参加者の顔ぶれ
同ジャンルのコンペ(私の場合は主にパッケージデザイン)に何度も参加していると、自然と似たような顔ぶれに出くわします。中には物凄いテクニックとクオリティでほとんどのコンペを勝ち取っていく猛者も存在します(なんでこんなところに参加しているんだ?)(参加者の中にそういう人が居たら私は参加しません)。でも初めは誰がどんなものを出してくるかはわかりませんので色々と挑戦してみましょう。あとこれはクライアントにもよりますが「良いデザインが合格するとは限らない」場合もよくありますので。
4.制作実績として残す価値があるかどうか
ランサーズでは一度提案するとアカウントを削除しない限り履歴がずっと残ります(※)ので、いくら無償での提案とは言えあまりにいい加減な仕事を出すとプロフィールに汚点を残してしまうので注意が必要です(※提案後1時間以内なら唯一「取り消し」ができる)。またこれは“1.自分が得意なデザインかどうか”と相反する内容になりますが、仕事の幅を広げるために自分の得意領域以外でもうまくデザインができそうな案件があれば積極的に挑戦するようにも心がけています。
そして件の「ポートフォリオ(プロフィール/過去の提案)」を意識してポートフォリオに実績を残すつもりで案件を選んでいるところもあります。ただ依頼条件によっては履歴が非表示になる場合がありますので注意が必要です。それについて少し説明していきます。
条件(完全非公開・提案非公開・公開)について
オプション条件をよく確かめる
ランサーズはオープン型のクラウドソーシングサービスですが、コンペ案件によってはクライアント(依頼者)によっては公開したくない場合もあるので「完全非公開」オプションというものがあります。また「提案の閲覧制限」をかけることにより他者の提案を見えなくする機能もあります。それぞれ「コンペ募集期間中の挙動」「過去の提案にどう残るか」という点で少し詳しく書いてみます。
1.公開(特に条件なし)
コンペ募集中も他者の提案が閲覧可能/過去の提案に履歴が残る
2.提案非公開
コンペ募集中は他者の提案見えず/募集期間終了後に他者の提案が閲覧可能/過去の提案に履歴が残る
3.完全非公開
コンペ募集中は他者の提案見えず/募集期間終了後は当選者が決定するまでの間のみ提案を閲覧可能/当選者決定後は当選者も含め全ての提案が見えなくなる/過去の提案にも履歴が残らない
感覚的に“2.提案非公開”が最も多く次に“3.完全非公開”で“1.公開”はごく稀に、と言ったところでしょうか。“1.公開”の場合だと募集期間中にコンペ参加者の手の内が全て分かってしまうので提案が荒れる印象があります。“3.完全非公開”は他者の提案も分かりませんし自分の履歴に残すこともできませんので、純粋にギャラを掛けた勝負ということになります(負けた時の徒労感半端ない)。
著作権について
ランサーズでの著作権についてはコンペに当選しなかった場合は全て提案者に帰属するのが決まりなのでその辺は心配入りません。“1.完全非公開”の履歴が残らない性質を利用して、あるコンペの没デザインをそっくりそのまま同業他社のコンペに出してくる輩を何回か見たことがあります。
何はともあれ提案してみよう
長々と書いてきましたが、初めは軽い気持ちで何か一つコンペ提案してみることをお奨めします。いくらプロフィール欄を充実させたところで何か出さないことにはお仕事のきっかけは生まれません。操作に慣れることやランサーズでの実績を作っていくことで自分に合った方法など色々と見えてくると思います。私も初登録からコンペに初当選するまでかなりの時間を要しましたが前述のようにその行為が全くの無駄だとは思っていません。また、提案し続けることで直接のご依頼(プロジェクト案件)に繋がった事もあります。
この記事の執筆時点でコンペに約100案ほど提案しました。次の記事では実際の依頼条件に合わせた実例をいくつか紹介しています。陥りがちな注意点なども書いてありますので参考になれば幸いです。
コメント